宿直なり
今夜は宿直。職場にお泊まりなり。
9時前にいちどコールがかかったけれど、おおきなトラブルにはならずに無事におさまった。
あとは無人の部署で本を読んだりパソコンのファイルを整理したり。
それにしても、こういう落ちついた気持ちで宿直を過ごすのは久しぶりだ。
3月までは、あんなに忙しかったのに。
年上の同僚と女性の同僚がよそに移って一ヶ月半。まだそれだけしか経っていないのに、現場では彼らがいたことはすでに「なかったこと」のようになっている。
それだけ彼らが現場に負担をかけていたということ。とは言え、少しさびしい気もする。ぼくもいつかこの社を離れたときには、2か月も経たないうちに「なかったこと」にされているのだろうか?
などとセンチメンタルなことを考えるのは、きっと5月の真夜中にたったひとりでパソコンに向かっているからなのでしょう。
風のない、きもちのいい5月の夜。
窓の外から、国道を走るトラックの音が聞こえる。
結婚する前、同じ窓から雪の上を走るクルマの音を聞いていたのが昨日のように思える。
今夜、月が雲を照らし、アスファルトに影を落としている。
路肩に積み上げられていた汚れた雪は、もうどこにも見えない。
踊るように流れるクルマの影を、ぼくはほおづえをついて眺めている。
5月の夜を突き進んでいく何台ものクルマが、うすっぺらな影絵のように見える。
いろんなことが過去に押し流されていく。
ここにふみとどまるんだということ。
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