麗蘭のライブ2
と言うワケで麗蘭。
じつに13年ぶりのニューアルバムリリースに伴って行われている今回のツアーは、タイトルからしてイカしている。
ROCKバカと知的ヒッピーを元気にするTOUR2004
おおなんか良い感じだぞっ!
このツアーはライブの開始時間が早い。昨日のライブも会場3時、開演4時だった。あすの生活を背負っている高齢ロックファンにはうれしい配慮である。「オールスタンディング」とチケットには書いてあるが、会場に入ったら当然のようにイスが敷き詰めてあった。これもうれしい。じっさいに演奏が始まると総立ちになっちゃうんでイスに座っている時間はほとんどないんだけど「疲れたらいつでもイスに座れる」という安心感はおおきい。またイスがあると、少なくとももみくちゃ状態はかんべんしてもらえる。うれしい。
会場に入るとまず、ステージ正面のおおきな観葉植物(ガンジャを模したもの?)が目につく。おお、ヒッピーぽいじゃんっ!PAの不調だとかで開場が30分以上遅れたにもかかわらず、演奏はほぼ時間通りに始まる。おお、オトナじゃーんっ!
SGを抱えた蘭丸とチャボが登場。チャボのギターはなんだったか忘れた。アルバムの曲順通りにステージが進行していく。ふたりとも頻繁にギターを持ち替える。蘭丸はトレードマークであるSG、12弦、エピフォンだかギブソンだかのセミアコ。アンコールではブラックのギブソンES-335。いっぽうチャボはボロボロのセミアコ(やたらボディが薄い)、黒いフェンダーストラトキャスター、同じくフェンダーのテレキャスター・シンライン。
楽器は、ま、良いの。
演奏、素晴らしかったです。
ブルースやR&B、ソウルなどを消化した楽曲、ギター。それに蘭丸、チャボの何とも言えない味わいを加味した、こころあたたまる音楽。
チャボが歌い、蘭丸が腰だめにギターを弾き、身体でリズムを取る。なんかもうそれだけでしあわせな気分。
村上春樹は以前、「ロックは自由であることのすばらしさを表現している」と言った内容の文章を書いていた。ほんと、麗蘭の音楽を聴いていると、自由へのあこがれとかドキドキとか、いっぱい感じる。
大仰な速弾きなんてなくたって(ふたりともじつはかなり速いギタリストだと聞いたことがある)派手な演出なんてなくったって、ロック魂と自由なスピリットがあればこんなにステキなライブができる。そう感じたライブでした。
それにしてもやっぱり「ミュージック」は盛り上がったねー。良い曲だもんなー。
doobie brothersのlisten to the musicのパクリだとかそういうのはぜんぜん関係なく、まさに麗蘭らしい、とっても素敵な曲です。元気が出る。つらいことがあっても自由な気持ちでいようって気になれる。
それにしても客層を眺めていると、かつてのロック少年少女たちもみなトシを取ったんだなーとあらためて感じる。家出してストリート・スライダースの追っかけをするような女の子は、80年代当時はゴロゴロいた。RCの「スローバラード」や「ヒッピーに捧ぐ」を聞いて涙した女の子たちも、スライダースの「boys jump the midnight」を聞いて夜の街をあぶない目つきで徘徊していた少年たちも、みんないろいろあって年輪を刻んで、このライブ会場に来ているんだろうなー。なーんて、勝手な想像だけどね。
それぞれに幸あれ。
ピース。
そしてハッピーニューイヤー。
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