ステップ10だよこんにちは
ステップ10
「自分自身の棚卸しを続け、まちがったときにはただちにそれを認めた」
近ごろステップ10がイタい。
AA(Alcoholics Anonymous)の12ステップはアルコール依存症からの回復のステップだ。と同時に、生き方の問題を扱っている。ぼくたちにとってアルコール依存症から回復することは、生き方の問題に手をつけることでもある。言い方を変えれば、生き方の問題に手をつけない限りはアルコール依存症からも回復できない。12ステップを実行しアルコール依存症から回復を目指すことは、限りない成長の道のりでもある。
ステップ10は「怒り」を扱っている。
もちろんそれだけではないが、言われなく傷つけられたり、さまざまな悪に対する正当な怒りに対してわれわれがどう対処したらいいのか、を提案している。
生きている限り、腹の立つことは無限にある。
渋滞している道路でむりやり割り込まれたら腹が立つ。あおってやろうかと思う。
スーパーの身障者マークの駐車スペースに停めてあるヤン車を見るたびにむかつく。
ちっとも進まない福祉政策、施策と現状の板挟みになって現場で困っているひとを見るたびに政治や行政に対する怒りを覚える。
そしてもちろん、例の年上の同僚。
そう言ったときに、どう対処したらいいか。
ほかの提案と同様、AAのやり方はシンプルだ。
ステップ10はこう言っている。
自分の過ちは、認める。他人の過ちは、ゆるす。
そして、自制心を持つようにも言っている。
ふつうの人びとにとっては、怒りはちょっとした楽しみかも知れない。誰かに愚痴を思いっきりしゃべって、それですっきりと発散して気持ちを切り替えることができるのかも知れない。
でも、われわれアルコホーリクにはそれができない。少なくとも、ぼくにはできない。
怒りはより大きな怒りを招く。不満はさらに不満を呼ぶ。
愚痴を言っているうちに、より大きな怒りへとエスカレートしていく。
そしてその先にあるのは、飲んでいたときと同じ、社会からのドロップアウトだ。
そのときに酒瓶を手にしていようがいまいが。
怒りを手放したい。ほんとうにそう思う。
自分のあやまちは認め、他人のあやまちはゆるす。言葉で言えばカンタンだけど、実行するのは勇気がいるよ。
ぼくの場合、他人の傲慢にものすごく腹が立つんだよねー。
他人の失敗には、かなりひどい失敗でもわりと冷静に受け入れられるんだけど。傲慢なひとってダメ。例の年上の同僚なんて、その典型。
まーこれも、神さまがくれた試練なんだろうね。いちばん苦手なタイプがいちばん近くにいるって言うのは。
ゆるす。許す。赦す。
今年のテーマは「謙遜」だったけど、来年のテーマはステップ10だね。
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