洗濯機を回すとは
ふと思ったんだけど「洗濯機を回す」という表現はおかしかないか。
ぼくも幾度となく「きょうは朝から洗濯機を回して〜」うんぬんという表現を使ってきた。
が、考えてみたら洗濯機が回るわけがない。
洗濯機が回ったりしたら、設置してある洗面所まわりはたいへんである。
壁に「ゴゴゴッ!」とぶつかって壁紙が剥がれるわ、ドリル状に回転する洗濯機の角で床に穴は空くわ、コンセントはちぎれ飛ぶわ、ちぎれ飛んだコンセントが窓を突き破って空を舞い飛行機に命中するわ、それをテロと勘違いして米軍機が緊急発進するわ、高速回転する洗濯機を制止しようとするも発生したかまいたちで頬を切るわ、警察は来るわ爆発物処理班が来るわ、そうこうしているうちに回転する洗濯機は自重で地下深く潜行し始めるわマントル層に到達して溶岩が吹き出すわ、そうするとそれを機に日本中の休火山が一斉に活動を再開し始めるわ温泉はわくわ土産物屋ができるわホテルや旅館、日帰り温泉は乱立するわ、そうすると洗い物が増えてますます洗濯機が増えるという、実にたいへんな事態になる。
洗濯機が回ると言うのは、世界を揺るがす大異変なのである。
洗濯機は回らない。
「洗濯機の中の洗濯槽が回転する」
がただしい。
間違えないように気をつけねば。おお、あぶないあぶない。
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