レジェンド・オブ・メキシコ〜ハイテクなロー・バジェット映画〜
実家の兄からDVDを借りてきた。
ロバート・ロドリゲス監督の「レジェンド・オブ・メキシコ」という映画だ。
映画に関する前情報、まったくなし。
ジョニー・ディップが敵役で出ていて、やたら眉間に縦じわを寄せた長髪の主人公がギターを弾きながら敵をばんばん撃ち殺す、という良く分からない設定だけパッケージから読み取れた。
まー、現代版西部劇かね・・・。
などと思って見始めたら、これがおもしろい。
ストーリーはあってないようなもの。
ギターを持った主人公が街に流れ着いて、ギターを弾いて、ばんばん敵を撃ち殺す。
パッケージを見れば誰でも分かるストーリー。
見終わったあと、「ま、こんなもんかねー」と思ったのだが。
ほんのついでに、特典メニューの「撮影秘話」みたいなのを見始めたら。
これがもう、何とも言えずすごい。
この映画は、ある意味でオタクの神話です。オタクのサクセスストーリーです。
ロバート・ロドリゲス監督、完全にオタク。
自宅には17インチPowerBookをはじめ、パソコンがずらり。
そして壁を埋め尽くす大型液晶モニタの数々。
さらに監督自らが、音響やBGMのかなりの部分を担当している様子。
話を聞いていると、映像も音楽も、ほとんどパソコンで制作しているらしい。
Pro Toolsを駆使し、GIGA STUDIOでオーケストラを再現する。
映画を見ている限り、オケがパソコンだとはゼンゼン気がつかなかった。
見ていると監督、あっと言う間に音ネタをかぶせてBGMをひとつ完成させる。
その操作ぶりを見ていても、かなり使い込んでいるのが分かる。
ううむ・・・・。
ロバート・ロドリゲス監督、やたら「画家は考える速さで描く、映画作家もそうあるべきだ」と力説する。
そしてHDカメラをはじめ、ハイテクがそれを可能にすると。
なんというか、パソコンでの音楽制作に疲れ果てたいちにちだったので、かなり力をもらった気がする。
そうなんだ、パソコンも音楽ソフトも、イマジネーションを実現するための「絵筆」なんだ。
あまりにもやれることが多すぎて、操作を習得するのはたいへん。
でも一度習得してしまえば、それはイマジネーションを実現するための、夢の絵筆になる。
じっさいこの監督はパソコンを駆使することによって、制作期間も予算もかなり抑えているらしい。
そうだよね。映像のことは良く分からないけれど、人件費を考えたらパソコンで監督がさっさとこなせるんだったら、それがいちばん良い。
うぉーし、ぼくもふたたびCUBASEの絵筆を取るのだ!
あ、肝心の映画の感想。
非常に荒唐無稽でばかばかしく、大げさでした。ヘビメタに通じる大仰さ。
ぼく、こういうの大好きです。
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