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2004年6月18日 (金)

酒が止まっても苦しい

スポンサーの影響なのか、酒が止まって以来どんどん楽観的な人格になってきているような。
AAに来て酒が止まる。
いままでできなかったことができるようになってくる。
人間関係、少しずつ直っていく。
あれほど困難に思えた仕事が、気がつくとできている。
毎日遅刻せずに出勤するなんて、とてもできないことだったのにね。
イライラや怒りは日々あるけれど、致命的な爆発をする前に処理することができるようになる。
日々のミーティング。
仲間の話を聞く。
自分の話をする。
仲間とバカ話をする。
わらう。いのる。共感する。

そういう日々が続いているので「酒が止まっても苦しい」と言う話がなかなかピンと来なかった。
ミーティングに行っても孤独を感じると言うのが良く分からなかった。

でも考えてみたら、自分がAAにつながったばかりのころはまさにそんな風だった。
ほんの少し顔なじみになったけれど、まわりは知らない人ばかり。
自分の世界とはあまりにもちがう人たちばかり。
ぼくは仕事が見つからなくって苦労したこともなければ子どもの貯金箱をたたき割ったこともない。
そりゃぁ離婚はしたけれど、家庭崩壊だの親や職場を巻き込んでのシュラバも経験してない。
生活保護を受けたこともなければ飲み屋でトラブルを起こしたこともない。
このひとたちと、いったい何を分かち合えばいいのだろう?
仲間?仲間だって?
年齢も体験も考えてることもゼンゼンちがうのに、どうして仲間などときれい事が言える?

そういう思いがどこかしらつきまとっていた。
分かちあい、と言う言葉を良く耳にしたが何をどう分かち合っていいのか分からなかった。
ミーティングで本音が言えなかった。
いつもきれい事ばかりを言っていたような気がする。

そして気持ちがつらくてつらくて耐えられず、なんの迷いもなく再飲酒した。
飲んでも何も解決しなかったが、飲まなくても生きられないことには変わりがなかった。

そのころぼくが感じていた苦しさと、いまのあなたの苦しさが同じかどうか、分かりません。
正直言ってあなたの苦しさをほんとうに理解しているのかどうかも、理解できるのかどうかも、自信がありません。
でもぼくは、あなたの声に真摯に耳をかたむけたいと思うのです。
苦しい、と叫ぶとき、その叫びを聞いていたいと思うのです。
「酒が止まっていても苦しい」とあなたは言う。
きっとそれは、とてもとても、とってもつらいことなのだと思います。
ぼくにはそれを聞き、祈ることしかできません。
でも、この無力を認めたものたちの集団が成し遂げてきたことを考えれば、聡明で思慮深いあなたが回復できないはずはないと思います。
あなたが歩いているのは、回復の道のりだと思うのです。
AAメンバーとしても社会人としても、きっとあなたはゆたかなひとになるでしょう。
たかだかソーバー2年7ヶ月ですが、ぼくはきっとそうなると確信しています。

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